天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

温室

熱帯性睡蓮(大船フラワーセンターにて

 厳冬の植物園は荒涼として見るべき花がない。ただ温室に入って熱帯性の花々を愛でるのみ。


  一月の温室にきて汗を拭くブーゲンビリア
  極楽鳥花


  温室のみどりの中に空を向き笑ふがごとし
  極楽鳥花


  名にし負ふきつねのまご科こえびそう植物園に
  食欲覚ゆ


  蔓に沿ふ花の炎のツンベルギア・マイソレンシス
  きつねのまご科


  あちこちにわが眼をやれば白き木の根方に鶫(つぐみ)
  ふくらみてをり


  ふり返り目を合せれど身じろがず鶫は首をかしげ
  たるまま


  太陽光発電をこそ急ぐべし瑞穂の国は地震列島
  原子炉の怒りをいかになだむべきプロメテウスは火を
  ふりかざす