天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

早春賦2

鎌倉・荏柄天神にて

 鎌倉の大塔宮、瑞泉寺護良親王墓、荏柄神社、頼朝の墓、鶴ケ丘八幡宮を巡って梅の花を探った。まだまだ花の時期には早い。頼朝の墓が壊されたというニュースが気になったので訪ねたのだが、燈籠の頭の部分が倒れかけているだけで、中央の墓石は無事であったようだ。


     紅梅と紅を競へる天神社
     みつまたの黄の花ふふむつぼみかな


  二百円払ひて入る瑞泉寺太き万作の木の花盛り
  富太郎博士名付けし黄梅も固きつぼみに如月を終ふ
  捨てられし護良親王の御首を山頂に置く理智光寺址
  子に代り合格祈願に来し親か長く手合はす荏柄天神
  みつまたの莟の割れて黄の花が露をふふめる荏柄天神
  天神の山のなだりに横穴を掘りて祀れる熊野権現
  近づきて餌くるる人を見分けたり八幡宮の台湾リスは
  大銀杏倒れし跡の切株にひこばえあまた丈を伸ばせり
  如月の末になりても梅の花まばらなりせば不安きざせり
  ニュートリノ光と競ふその速度計測誤差をいかに見積もる