天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

菜の花と河津桜

松田山にて

 伊豆の河津と相模の松田山では、菜の花と河津桜の満開を同時に見ることができる。松田山には毎年見に出かけている。今年は彼岸の時期に満開になった。詳細に調べると松田山に咲いている桜には、河津桜の他に、寒緋桜、おかめ桜、春めき桜などがあるらしい。いずれも早咲きである。実は、河津桜は寒緋桜とオオシマザクラ、おかめ桜は寒緋桜とマメザクラ、春めき桜は寒緋桜とシナミザクラとそれぞれ交配してできた品種であった。それで同時期に開花する。


     天仰ぎ小鳥高鳴く彼岸かな
     菜の花と引き立てあへる桜かな
     富士を見る桜の下の滑り台
     春寒き山のなだりのハーブ園
     菜の花と交はる河津桜かな


  菜の花と河津桜に去年ありし天変地異をつかのま忘る
  松田山 桜、菜の花咲きみちて真白き富士を西空に見る
  相模野にさくら菜の花咲き満ちて彼岸の人をたのしませたり
  青空はローズマリーの花の色下に真白き富士立てり見ゆ