寒の戻りと開花
今年も気候の変動が激しくなりそうな予感がする。東京では雪のふる中に桜の開花宣言が出た。新型コロナウィルスの跳梁で、桜の名所での花見もままならない。
いつもの近所の庭園を散歩すると白木蓮が見事に咲いていた。道を進むにつれて、雪柳、馬酔木(あせび)、木五倍子(きぶし)などの花々もすばらしかった。河津桜はすでに散り、陽光桜と寒緋桜が咲き残っていた。
遠くから吾を手招く白木蓮
雪ふると思はざりけり雪柳
密集の花に堪へたる馬酔木かな
花咲いて存在示す木五倍子かな
参考までに歳時記から関連の作品を拾ってみた。
はくれんのとどく二階の子のうまゐ 小原俊一
雪柳古き運河に水通す 堤 妙子
春日野や夕づけるみな花馬酔木 日野草城
山淋し木五倍子がいくら咲いたとて 後藤比奈夫