天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

アネモネ

大船フラワーセンターにて

 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。和名はボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)など。語源はギリシア語で「風」を意味するアネモスから。ギリシア神話に、美少年アドニスが流した血よりこの植物が産まれたとする伝説がある。


     真黒な怒りかくさずアネモネは    行方克己


  アネモネは春さく花といひしかど冬の光に咲くもかなしも
                       斎藤茂吉
  脆ければ吹かれてしまうアネモネの薄き花びら自在に舞いて
                       武川忠一
  きらめきて小さき虫の描く円アネモネの花舞い吹かれゆく
                       武川忠一
  アネモネギリシャ語の風三月の風のまにまにたはやすく散る
                       後藤直