天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

石仏

首無仏(座間市星谷寺にて)

 石造りの仏像。岩壁に彫られたものを磨崖仏という。


  石仏の裾くろく濡れ人間の生きつぎて来しそのくらき意味
                   坪野哲久
  見るためのまなこならねば一本の線に彫られて笑む石の像
                   造酒廣秋
  米栂を水楢を天にいただきてくらぐら並ぶ地の石ぼとけ
                   小山 豊
  石仏は臓もたず陽に風に晒されてまた石に戻りぬ
                   前川登代子
  黙しあふ石仏の上に吹きおろす一陣の風石より太し
                   米満英男