天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

栗の花

開成町あじさいの里にて

 虫媒花で長い花穂に特有の匂いがある。雌雄同株で、花穂の先に多数の雄花、基部に少数の雌花をつける。


     世の人の見付けぬ花や軒の栗      芭蕉
     逗留の窓に落つるや栗の花      向井去来
     栗の花丹波は雲の厚き国       茨木和生
     花栗のちからかぎりに夜もにほふ   飯田龍太
     栗咲く香この青空に隙間欲し    鷲谷七奈子


  栗の花のにほひは椎の花の後かかることをも思ひてゐたり
                    柴生田 稔