神奈川の力石14
力石は村社に残っている場合が多く、その場所を訪れると、思いのほか華麗な社であったり、境内が広いことに驚かされることがある。今回の例では、茅ヶ崎市浜之郷の鶴嶺八幡である。
海側から入る参道は、その昔流鏑馬が催されたらしい一直線の長大な松並木の道路になっている。境内には、鎌倉鶴ケ丘八幡宮に倣ったような源平池が手入れされないまま残っている。
[茅ヶ崎市円蔵・神明大神]
大いなる銀杏三本を見て歩く本殿脇の力石まで
癌封じの石の由来は詳しくもそれの左方に「力石」とのみ
力石の左手奥に祀られて景能公の石像が立つ
[茅ヶ崎市西久保・日吉神社]
バス降りて日吉神社はいづこかと靴センターの店員に訊く
古き代の力競べを想ひをり弥生時代末期の遺跡
女護ガ石授かり石の近くにも見当らざりしかの力石
かの石は厄割石になりぬらむ注連に囲みてかはらけを投ぐ
みごとなる馬場松並木はるかまで鶴嶺八幡の参道にして
[茅ヶ崎市南湖・八雲神社]
朝光(あさかげ)の銀杏根方に力石
大いなる鳥居くぐりて本殿の銀杏根方に見る力石
本殿の灯籠脇に佇みて石を見おろす松風のこゑ
[茅ヶ崎市菱沼・八王子神社]
チャリンコが鳥居の下に置かれたり菱沼八王子神社タブノキ
それぞれに注連縄置ける石ふたつ本殿前の左右(さう)に鎮まる
大いなる護国之碑のもと力石らしきが二つ他と並びて