天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

師走の里山―藤沢新林公園―

藤沢新林公園にて

 梅林の手前の平成20年に移築された「旧福原家長屋門」は、福原家のもので、江戸時代後半に建てられた。また昭和58年に梅林北側に移築されている古民家「旧小池邸」は、市内柄沢村の名主を務めた旧家で、先祖は足利尊氏に仕えていたという。この建物は1841年(天保12年)に建てられた。この古民家の裏手の山道をたどって自然散策路を巡ると里山を一周できる。中心には川名大池があるが、残念ながら珍しい水鳥を見かけたことはない。
 師走のもみじと言えば、クヌギやコナラの黄葉が主体になる。この里山には大木が多いだけに、黄葉はみごとである。


     里山やくぬぎ黄葉のかがやける
     古民家に挨拶交すもみぢ狩


  里山のロープに囲む獣落しクヌギ、コナラのもみぢかがよふ
  行き合へば挨拶交す里山にくぬぎ、こならの黄葉かがよふ
  湘南の里山に見るなまよみの甲斐の空なる富士の雪嶺
  歩くより這ふが早しと妹は地面を這ひて兄を追ひゆく
  妹が母の視野より消えたれど母は気にせず兄を見守る