天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

おかめ桜

根府川にて

 イギリスの桜研究家イングラムカンヒザクラとマメザクラを交配して作った。淡い紅色の一重咲き。花が下を向いているのが特徴。ソメイヨシノより少し早い早咲きで花期は2月下旬から3月上旬ごろ。名前の由来がはっきりしないが、創作者のイングラムが、桜は日本を代表する美しい花であり、日本美人と言えば「おかめ」ということで名付けた、という説がある。だがいつ作られたのか、日本には、400年も昔からあるという。東北地方以南のあちらこちらにある。
 今回は根府川におかめ桜を訪ねた。


     釈迦堂は崖下にあり春嵐
     さみしさはおかめ桜に青き海
     根府川の空に風鳴る春の鳶
     坂をのぼり谷間にくだる桜かな
     青き海おかめ桜の花の間に
     山里のおかめ桜に恋をして


  根府川のおかめ桜を見に来れば女がみんなおかめに見える
  強風に波毛羽立ちて流氷と見紛ふばかり相模の海は
  うねうねと坂をのぼれば谷間におかめ桜の群落の見ゆ
  根府川の里のおかめを恋にけむ小田原攻めの秀吉の兵