天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

藤の花ちる

横須賀菖蒲園にて

 桜の花が散ると藤の花が咲き始める。だが藤の花の寿命も桜と同様短い。わがなじみの場所と言えば、小田原城の御感の藤と横須賀しょうぶ園の二カ所である。今年は横須賀しょうぶ園に行ってみた。ゴールデンウィークの終りだったので、紫の藤は散り始めていたが、白藤の花は盛りでなんとか満足できた。地面に散った紫の藤の花をつくづく見て、玉のように丸まっているのに初めて気付いた。十一時になると何故か園内の菖蒲田近くの広場でフラダンスが始まった。これも初めてであった。


     庭に出て朝の草刈る大鋏
     谷間(たにあひ)の風にゆふらりおほでまり
     玉なせる藤の花ちる山路かな
     白藤の風に吹かるるフラダンス
     ちり敷ける玉なす藤の花に酔ふ


  太り気味なれど飼い主より元気犬に曳かれて老人がゆく
  リハビリとおもひて歩く山道におほかた枯れし石楠花の花
  三人の女腰ふるフラダンス藤の花房おもく垂れたり