天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

下田の吉田松陰(3/3)

下田港

 吉田松陰金子重輔は、ペリー提督のポーハタン号に乗り込んで密航しようとしたのだが、断られ下田の奉行所に自首して捕らえられた。このことは周知の歴史だが、気になるのは、松陰たちの旅費のことである。下田に滞在した期間は24日間と短期間ではあったが、相応の旅銀が必要であったはず。佐久間象山篤志家などから餞別やら寄付金などを貰っていたのであろう。


  遊覧船サスケハナ号のとなりには海上保安庁
  巡視船見ゆ


  のぼり来て寝姿山に見わたせり下田みなとの海
  の静寂


  松陰が歩きし下田までの道「踊り子二号」の席
  に想へり


  松陰の路銀はいかにと案じゐる岬の山の東急ホテル
  黒船の話になれば現るる下田みなとの吉田松陰
  松陰の足跡たづね一夜へて見慣れし景色熱海に
  着きぬ