天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

永田和宏『現代秀歌』

岩波書店刊

 伊豆下田に行く電車の中で読んだ。全部を読み終ったわけではないが、歯切れよく行きとどいた解説で、大変読み易い。ちなみに『近代秀歌』もあり、両方とも岩波新書だが、名著といってよい。内容をくどくど紹介するのはヤボであり、直に読んで頂くのが一番である。


  窓側の席にまどろみ時折に目をあけてよむ『現代秀歌』
  百年の後にも読まれつづくると選りし百首の『現代秀歌』
  いくつもの作歌動機をちりばめてハッとさせたり『現代秀歌』
  トンネルの多き路線の明暗に読みがたかりし『現代秀歌』
  サングラスかけてはずして読みすすむ『現代秀歌』窓側の席


[余談]私が短歌を始めた頃、産経歌壇に毎週詠草を葉書で送っていた。春日井建さん、篠弘さんが選者であったが、その後に永田和宏さんが選者になった。何度も一席に選んで頂き、評を書いてもらった。自宅に電話を頂いたり、葉書を頂いたりしたこともあったが、そのたびに寝ぼけたような素気ないご返事を出した。失礼をしたといまだに後悔している。