天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

冥王星の探査

NASA提供

 探査機が冥王星に最接近したというニュースでにぎわっている。
冥王星は、1930年にアメリカの天文学者クライド・トンボーによって発見された。2006年までは太陽系第9惑星とされていたが、その後準惑星に区分された。これは奇しくも冥王星探査機ニュー・ホライズンズが打ち上げられる直前であった。太陽を一周する公転周期は、247.74 年。
 ニュー・ホライズンズの本体の質量は465kg。太陽から遠く太陽電池を使えないため、原子力電池を搭載している。冥王星探査で取得したデータはメモリに蓄積して、数ヶ月かけて地球へ送り届ける。冥王星軌道を通過後、ニュー・ホライズンズはさらにエッジワース・カイパーベルト内の別の太陽系外縁天体を探査することを計画している。打ち上げ費用は、ロケット製造費、施設利用費、装置開発経費及びミッション全体の人件費を含み、約7億ドル(日本円で約800億円)であったという。


  生者あらぬ冥王星に植ゑむかな北のさくらのしづけき
  一本(ひともと)             松川洋子


 冥王星を詠んだ歌がこれ以外見当らないので、もっと詠んでみたい。とりあえず以下の歌を作ってみた。


  二百四十余年をかけて太陽をめぐる星あり惑星ならず
  九年余かけて近づく探査機はクライド・トンボーの遺灰
  も載せて


  氷点下二百数十度といへり冥王星の素顔の山河
  恐山地獄めぐりの情景を思い起こせり冥王星
  富士並みの山がいくつもあるといふ冥王星はいかに生まれし
  冥王星と名付けし野尻抱影が惑星ならずと聞かば歎かむ
  太陽系カイパーベルトに浮かびたる冥王星に衛星ひとつ