天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

惑星

NHK・BSテレビ画面から

 惑星とは恒星の周りを回る天体のうち、比較的低質量のものをいう。具体的には、木星質量の十数倍程度よりも質量の低いものを指す。実は惑星の定義は、古代から現代に至るまで多くの議論を呼んで一定しなかった。惑星に明確な定義を与えようという問題は、2005年に当時最も小さい惑星だった冥王星よりも大きな太陽系外縁天体であるエリスが発見された頃から始まった。国際天文学連合が出した新しい定義により、冥王星は太陽系の惑星から除外された。その定義とは、太陽系の惑星は以下を満たす天体である。
  1.太陽の周りの軌道上にある。
  2.静水圧平衡にあると推定するのに十分な質量を持つ。
  3.近隣の他の天体を一掃している。


  葬列のごとく惑星ならびそむ渋谷ハチ公燃ゆる夕べを
                   仙波龍英
  ひと粒の葡萄をはめばはしけやしこの惑星の胸乳したたる
                   安永蕗子
  雪の降る惑星ひとつめぐらせてすきとおりゆく宇宙の
  みぞおち             井辻朱美


  しんじつにおもたきものは宙に浮かぶ惑星・虹・陽(ひ)を
  浴びた塵(ちり)          井辻朱美


  軌道よりそれてただよふひとひらの命なりけり さらば惑星
                   小野興二郎
  この惑星寒ざむとせる日日を生きわが歳月の紆余曲折や
                   久方壽満子
  惑星別重力一覧眺めつつ「このごろあなたのゆめばかりみる」
                   穂村 弘


[注]右上の画像は、NHKBSコズミック・フロント「発見!惑星の大宇宙」の映像から切り出したもの。