天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ハチ公

NHKテレビの映像から

 2015年3月8日、東京大学農学部キャンパス内にハチ公と上野英三郎博士像が建った。除幕式では、東京大学大学院農学生命科学研究科長・古谷 研農学部長が挨拶をしたが、その中にハチ公と上野博士との関係が次のように、簡潔にまとめられている。


「秋田犬のハチは1923年、大正12年ですが、11月に現在の大館市に生まれ、生後ほぼ50日で東京帝国大学農学部教授の上野英三郎博士(農業工学・農業土木学)に贈られました。犬好きだった博士はハチを大切に育て、大いに可愛がり、当時は駒場にあった農学部への通勤や渋谷駅からの出張に送り迎えをさせました。当時、上野博士の学生達は教授の愛犬を「ハチ」と呼び捨てにすることをはばかり、「ハチ公」と呼んで敬意を表しました。飼い始めてから1年半ほどの1925年5月21日、上野博士は大学構内で急逝しました。それからハチは死ぬまでのほぼ10年間、朝夕に渋谷駅に通い、博士の姿を探し求めました。」


NHKテレビの「歴史秘話ヒストリア」では、こうした経緯が映像化され、渋谷駅前のハチ公銅像建立の話なども紹介されて深く感動した。ハチ公を詠んだ歌がほとんどないのは残念。左の一首だけ見つけた。なお、「忠犬」という修飾語は、人間のエゴからくる戦時のものであり、止めたい。


  葬列のごとく惑星ならびそむ渋谷ハチ公燃ゆる夕べを
                   仙波龍英