天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

マユミ(続)

横浜市俣野別邸庭園にて

 2012年2月11日の続きであるが、少し詳しく調べてみた。山野にはえニシキギ科の落葉樹で、庭木にもされ、材は緻密、光沢があって象牙の感じを与える。
枝は緑色で白い筋があり、初夏に緑白色の四弁花を開く。四角形に近い実は、秋に淡紅色に熟して裂け、赤い種子を出す。小箱などの細工物に使用される。昔は、弓を作ったところから、この名がある。


  山清水吸ひ上げて白き房なせる真弓の花の盛りにぞ遇ふ
                     大屋正吉
  若葉せしマユミの鉢に水やれば水を迎うる土のつぶやき
                    岡部桂一郎
  弾けたる檀の朱き小さき実が風の峠の陽に光りてゐる
                     若杉文子
  父在りて母亡き家の花まゆみ冬は稚き玉の実吊るす
                     安永蕗子
  散りこぼれ地(つち)にまゆみの花のあり数かぎりな
  く黄なるあをさに           遠山光