天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

時計(5)

わが家の柱時計

 時計の秒針の音や時刻を告げる音は、住み易さ・生活の心地良さを支配すると言っても過言ではない。枕許に置く目覚まし時計では、秒針の音が気になると寝つきが悪くなる。また、夜中に突然、鳩時計が時を告げるとびっくりする。



  秒針の赤き時計を欲しといふ少女のために秋澄みて来よ
                    美濃部ユリ子
  時計台の時計の針はいつも正午若葉すがしくけふもわが来つ
                      土岐善麿
  むかしむかし涼しき音をよろこびし時計の下に宵のうたた寝
                      河野裕子
  テレビの上時計とこけし共存す時計はせかしこけし回顧す
                      岩田 正
  むかうむきに時計を置けばざまあみろ時は勝手に流れてゆくさ
                      岩田 正
  しゆるりまた鎖を夜へひきおとし時計の鳩が啼くよ寝よ子よ
                      中川 昭