天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉の鎌倉―瑞泉寺

瑞泉寺境内にて

 今年は瑞泉寺紅葉狩りに行くべく、11月に入ってから見頃の時期をネットでチェックしていた。そのかいあって晴天の瑞泉寺の紅葉に出逢えた。JR鎌倉駅から鎌倉宮行きのバスに乗り、終点で下車、あとは瑞泉寺まで歩く。バスも道路も混んでいて落ち着かなかったが、瑞泉寺まで行く人は少なかったので助かった。門前から見返る石段上空の黄葉も本堂にかぶさる紅葉もすばらしかった。後日のテレビで紹介されていた。
 瑞泉寺を見終わった後、発掘中の永福寺跡に立ち寄った。人が入れるようになっていて、どうやら回遊式の公園にするようだ。
鎌倉宮からバスで鶴ケ丘八幡宮近くまで行き、八幡宮境内の黄葉も見た。シンボルであった大銀杏がないので、少し寂しかったが、国宝館や池の周辺の黄葉は美しかった。
 扇ガ谷・八坂大神境内のふたつの力石にも寄ってみた。近くに銀杏が散り敷いていた。近くの路傍では、地元のおじさんが四、五人のおばさんに鎌倉と源氏の歴史的関係を説明していた。


     光圀公お手植といふ冬桜
     黄葉の下に鎮まる瑞泉寺
     天園に続く紅葉や瑞泉寺
     もみぢ散る吉田松陰留跡碑
     紅葉の下の歌碑句碑留跡碑
     永福寺跡の背後のもみぢかな
     力石ふたつを避けて銀杏散る
     見てをれば寒さを忘る力石
     小春日のふたつ静かな力石


  四方に張る枝の紅葉は池の面に映れる影を誇れるごとし
  階段の空を覆へる紅葉を門よりながめただ「おー」とのみ
  もみぢせる木々の下には歌碑句碑と吉田松陰留跡碑あり
  秀雄歌碑放代句碑を読みてのち吉田先生留跡碑見る
  力石ふたつ鎮もる大神の社の前に歴史説く人
  大神の社に力競ひけむ知る人ぞ知る力石ふたつ