天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ブーゲンビリア

大船フラワーセンターにて

ブーゲンビリアは、オシロイバナ科のつる性低木。花言葉は、「情熱」「魅力」。原産地は、中南米熱帯雨林ブーゲンビリアという名前はブラジルで木を見つけたフランス人探検家ブーガンヴィルにちなむ。和名は筏(いかだ)葛(かずら)、あるいは九重(ここのえ)葛(かずら)。
ブーゲンビリアの簡単な増やし方は、切り取った枝を活用する挿し木による。様々な園芸品種があり、苞の色にも赤、紫、白、オレンジ、ピンク、すみれ色など。苞が重なった八重咲き種もある。


  ブーゲンビリアのブラウスを着て会いにゆく花束のように
  抱かれてみたく               俵 万智


  パレスチナあまたの町は破壊されブーゲンビリアが燃えるがに咲く
                       木本あきら


俵万智の歌は、まさに花言葉を地でゆく表現になっている。
植物に象徴的な意味を担わせる伝統は世界の多くの文化が持っているが、現在行われているような花言葉の慣行は、とりわけ19世紀の西欧社会で盛んになった。花言葉を利用して草花を楽しむ習慣が日本に輸入されたのは、明治初期とされる。
花を一首に詠み込む場合、その花言葉を暗示させる表現を工夫することは、近現代的な短歌作法といえる。なお、「短歌と花言葉」については、日を改めてまとめることとする。