天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

虎耳草(ゆきのした)

 雪の下、虎耳草、鴨脚草、鴨足草、金糸荷などとも書く。山地の湿った場所に生育する草本で、春の山菜として食されるほか、薬用にも使われる。日本の本州、四国、九州および国外では中国に分布する。

 

     手ふきただ垂れて狭庭や雪の下       原石鼎

     ふもと井や湯女(ゆな)につまるる鴨足草  飯田蛇笏

     軒風呂も寒からず雪の下咲いて      富田木歩

     陋屋の裏見同志に鴨脚草        中村草田男

     島の猫顔はみな似て雪の下       杉岡せん城

 

  雪の下白く小さく咲きにけり喜(き)蝶(てふ)が部屋の箱庭の山

                         北原白秋

  虎耳草(ゆきのした)のあはれなる花さけれどもその葉はしなえ花はたもたず

                        尾山篤二郎

 

虎耳草