天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桃源郷

靖国通りを出て内堀通りに入り桜田門方向へ歩いていたら、 以前から所在が気になっていた山種美術館を見つけた。ここは近現代の日本画専門の美術館である。収蔵品には、竹内栖鳳川合玉堂上村松園前田青邨奥村土牛速水御舟平山郁夫ほかの著名作品がある。今日は玄関までであきらめたが、昼休みに見に来よう。特に、速水御舟の「炎舞」はぜひ実物を見たい。
 千鳥ヶ淵に沿う散歩道に、桃源郷をイメージした乙女の銅像が立っている。桃源郷は、陶淵明の『桃花源記』からきている。次の有名な文から始まる。
   晉の太元中, 武陵の人 魚を捕ふるを 業(わざ)と爲せり。
   溪に縁(そ)ひて行き, 路の遠近を忘る。 忽(たちま)ち 
   桃花の林に 逢ふ。 岸を夾みて 數百歩, 中に雜樹 無し。
   芳草 鮮美として,落英 繽紛たり。 ・・・・

 昨日は気付かなかったが先日の台風のせいで千鳥ヶ淵の水量は、思いのほか増えている。どこで水量調節をしているのだろう。


   桃ひとつ左手にもつ乙女像桃花源記を抜け出でて立つ
   衣(きぬ)うすく乳房陰部のふくよかに男をそそる桃源乙女