天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桜狩:江ノ島

江ノ島・奥津宮にて

 江ノ島は桜の名所ではない。ただ遠くから見るとところどころに桜の塊があるので尋ねてみた。途中で風が強くなって歩くのに疲れてしまった。児島神社は改修中であったが、参道の樟の大木は、若葉になっていて見応えがあった。
 ところどころの広場には桜が数本植えられていて、咲き誇っていた。奥津宮の境内にも桜が咲いていたが、すでに葉桜になりかかっているものもあった。


     爾霊山の石もありけり楠若葉
     江ノ島や鳥居と桜、力石
     力石花の下にて年を経ぬ
     ちる花はとどめがたしも力石
     夕食に花見弁当老夫婦


  二0三高地の石といふがあり児玉神社の参道の辺に
  辺津宮を過ぐれば桜ならび立ち花を開きて春をよろこぶ
  石段をのぼりながらに仰ぎ見る中津ノ宮の白さくら花
  注連縄(しめ)張りて春陽(はるひ)を浴ぶる力石鳥居にかかる桜見てをり
  奥津宮参道わきの力石春陽(はるひ)をあびて笑ふが如し
  稚児ヶ淵崖の上なる碑の前に猫ねころびて春陽(しゆんやう)を浴ぶ
  呼び込みのさかんなりしが渡し船風つよまりて欠航となる
  デパ地下の食品売り場に今日も買ふふたりのための夜の弁当