天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ちはやふる

 今日から十一月。靖国神社拝殿社頭掲示の内容が替わった。これはチラシに印刷されて箱に入って置かれており、誰でももらえる。チラシには明治天皇の御製がプラスされている。今月は、四海清と題する明治三十八年のお歌、
   よものうみ 波しづまりて ちはやふる 神のみいつぞ 
   かがやきにける

 遺言の方は、昭和十七年十一月ソロモン諸島方面にて、二十一歳の若さで戦死した軍艦麻耶の乗員が、「弟達へ」残した言葉。海軍上等主計兵曹だが、武人の意識が文面に溢れている。


        菊の香や月替りせし遺言状

   海ゆきて水漬くかばねとなりけらし海軍上等主計兵曹
   艱難なんぢを練磨すと父母の孝養にいそしむべしと
   困難を笑ってきりぬけるべしと武人の家人らしくすべしと