天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

湘南国際村

湘南国際村と秋谷海岸

 躑躅の季節になった。神奈川県で躑躅といえば、逗子の湘南国際村が思い浮かぶ。今度の夏、ここのセンターで短歌人・夏季集会が八月初めに開催される。先日、編集委員の数人にお供して下見にきたが、逗子駅との間を車で往復しただけなので、今日あらためて周辺の見所はないか、歩いてみることにした。逗子駅から湘南国際村つつじヶ丘まで、三百二十円。斜面には躑躅の花の絨毯、足元には星屑のイヌフグリまたたんぽぽの花。
 湘南国際村から出ているバスは、逗子駅行きか京急汐入駅行きかの二路線。よって相模湾側海岸まで行くには、タクシーを呼ぶか歩くかするしかない。今日は歩いてどれくらいかかるかを見ることとする。新緑の谷間の自動車道に沿って歩いた。海岸沿いに走る国道一三四号線とぶつかるところが秋谷(あきや)である。ゆっくり歩いて四十分くらいかかった。今日は青嵐の吹くほこりっぽい天気でかなり温度は高かったが、八月ともなれば、とても歩けたものではなかろう。
 久留和海岸、秋谷海岸という名称がついている海岸線は、美しい。かながわの景勝五十選のひとつ「秋谷の立石」がある。三崎、城ヶ島方向に向かうと佐島マリーナがあるが、そこまで歩くのは大変である。大楠山ハイキングコースの入口の前田橋バス停からバスを拾って逗子駅に帰った。
 今日わかったことは、八月という盛夏に湘南国際村から歩いてゆける海岸はない、といってよい。バスで京急汐入駅にゆき、京急で三崎駅へ、そこからまたバスで城ヶ島へゆき北原白秋の歌碑を尋ねる。あるいは、京急・長沢駅から徒歩で若山牧水歌碑を見に行くなど。もちろんレンタカーにすれば、思いのまま走れるが、夏休みシーズンなので道路の混み具合は保証の限りでない。
 遠方から湘南国際村の歌会にくる人たちには、北鎌倉の円覚寺東慶寺、鎌倉の諸名所などを見て済ますことを薦めた方がよさそうだ。


     新緑の谷川わたる笹小舟
     押し寄せて潮牙むく青嵐