天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕪村俳句(2)

蕪村と芭蕉が同じ素材を詠んだ句を二、三取り出してみる。


      海くれて鴨のこゑほのかに白し  芭蕉
      更衣野路の人はつかに白し    蕪村
      *両方とも五五七の形式。
       また、ほのかに/はつかに「白し」が共通。


      五月雨をあつめて早し最上川   芭蕉
      さみだれや大河を前に家二軒   蕪村
      *芭蕉と蕪村の俳句の違いがよくわかる


      田一枚植て立ち去る柳かな    芭蕉
      柳散清水涸石処々        蕪村
      *西行の遊行柳


      象潟や雨に西施がねぶの花    芭蕉
      青梅に眉あつめたる美人哉    蕪村
      *越の美女・西施が話題