天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桃の節句

江戸雛

 新入社員の初め頃には、会社の寮の相部屋に住んだが、寮の風呂で皮膚病を移されてから、外にアパートを借りた。ところは横浜市戸塚区舞岡。その頃は春になると田んぼにはげんげが満開になった。現在も横浜戸塚区の別のところに住んでいるが、税が高いことに困っている。生産性の低い設備をたくさん作り、赤字を垂れ流している市政に怒りを感じている。

      舞岡の湯花神楽や蕗の薹
      梅咲くや河童あそべる池の端
      古民家の座敷にならぶ江戸雛
      古民家の前山に咲く梅の花
      古民家の座敷にぎはふひな祭
      水ぬるむ谷戸の窪地に池あまた


  時をかけ枝ひろぐればまた剪らるほんに切なき道の辺の松
  ひさかたの天より降りし白幡の丘にしあれば舞岡と云ふ
  騙されてゐるやも知れず狐久保変哲もなき木々たつ広場
  丈たかき枯草生ふる狐久保何を待ちゐる望遠レンズ
  水ぬるむ小谷戸の里の池端に翡翠狙ふ望遠レンズ
  ミソサザイ、アオシギ、アリスイ、ルリビタキ 
  老人たちがカメラ構へる


  古民家の庭にふるまふ甘酒の米をつくりし舞岡の谷戸
  冬去りて枯葉のこらず散りはてし谷戸の木立の万作の花
  焼き芋の売り声たかき公園にオカメインコを探す貼紙