天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

相模川

相模川河口(馬入川)

 相模川の水源は富士山麓の山中湖、忍野八海であるが、山梨県下を流れている間は桂川と呼ばれ、神奈川県に入ってから相模川となる。全長109kmの一級河川である。古代から鮎の産地であり、鮎川とも呼ばれたという。また、河口近くでは馬入川ともいった。この名前の由来は、源頼朝を乗せた馬が川の中に飛び込み、頼朝が落馬した事件にあるという。


      砂浜の足を引き込む青葉潮


  ボンタンアメ、酢こんぶ、ガムなどバスに売る出口の側の
  座席の横に


  沿道の店に出入りの客を見ず長姫町とふバス停留所
  それぞれの回りに釣宿かまへたり須賀港平塚漁港並びて
  店先のベンチに座り漫画読むほかほか弁当できるまでの間
  上半身裸になりて腹這へり日に焼くる間も釣糸を垂れ
  頼朝を乗せて飛び込む馬あれば馬入川とも呼ぶ相模川
  水深の深き水路を帰りくる朝の釣船河口の漁港
  相模川河口にありて波くだくテトラポッドに付きし海苔牡蠣
  濡るること厭ひて足を突っ張れる犬を引きずる波打ち際に
  満ち潮は釣れぬと云ひて引き上げしわが祖父ほどのひとり老人
  朝出でし釣舟帰る釣宿の今日の釣果はマダイ、シロギス