天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スカンポ

東海道鉄砲宿にて

 酸模と書く。いたどり(虎杖)あるいはすいば(酸葉)の別称。雌雄異株のタデ科多年草。茎は太く直立し高さは二メートルにも達する。若い茎は食用になる。


      いづこにもいたどりの紅木曾に泊つ
                 橋本多佳子
      いたどりを噛んで旅ゆく溶岩(らば)の上
                 野沢節子

     
  すかんぽの茎かみにつつ草にゐて行く春の日を赤しとおもふ
                       前田夕暮
  すかんぽの茎の味こそ忘られねいとけなき日のもののかなしみ
                       吉井 勇