天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

五箇条御誓文

明治神宮の夫婦楠

 ひさしぶりに明治神宮の境内を歩いた。維新からちょうど百四十年経ったとのことで、掲示板には五箇条御誓文が紹介されていた。



一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ
一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事
  ヲ要ス
一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ


高校の歴史で習って以来、久しぶりに見た。これは周知のように、
坂本龍馬船中八策 → 由利公正の議事之体大意五箇条 → 福岡孝弟の会盟 → 木戸孝允の五箇条 と推敲され、日本の国是として明治天皇の裁可を受け、1868年(慶応4年)3月14日、天下に示された。以後、五箇条御誓文と呼ばれるようになった。

  
      絵馬あまた垣根なしたり楠わかば


  原宿に降りて鳥居をくぐりたり天皇制の古さ思ひて
  維新から百四十年経しを知る明治神宮の参道をゆき
  楠若葉にほへる庭に新婚を祝ひまぶしむ明治神宮
  声高に神話を読める男ゐて蔑視に耐ふる楠の斎庭(ゆには)に
  みどり濃き神宮の杜外つ国の言葉さまざま行き交ひゐたり
  神宮の斎庭に立てる大楠の若葉眼にしむ空の青さに
  老画家の指摘聞きてはカンバスに絵筆はしらす神宮の杜