天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

泰山木

片瀬江ノ島にて

 タイサンボクは、モクレンモクレン属の常緑高木。北アメリカの東南部原産で日本には明治初期に渡来した。大盞木、大山木とも書く。花、葉、木の姿を賞賛して付けられた日本名という。



  むすぼれし心もとけつおほどかに泰山木のにほふ
  夕ぐれ                 佐佐木信綱
                      
  ゆふぐれの泰山木の白花はわれのなげきをおほふがごとし
                      斉藤茂吉
  おほらかに ひとひ を さきて うつろへる たいさんぼく
  の はな の いろ かも        会津八一
  制服の少女ら爪先立ちで去り泰山木がさらりと匂う
                      岸本由紀


 現在、名古屋の出張の際に、茂吉の歌集『つゆじも』を持ってきて読んでいるのだが、たまたま泰山木の歌を見つけたのであげておいた。