七夕
今年もまた七夕がやってきた。この書き出し、毎年のことである。変り映えしないが、それだけ日本はなんといっても平和が続いているのだ。
七夕の笹の葉がひにかそけくもかくれて星の
またたく夜かも 太田水穂
よく磨らむ愛し女童七夕は磨る墨のいろの金に顕つまで
北原白秋
庇護されて生くるはたのし笹の葉に魚のかたちの短冊むすぶ
栗木京子
最後にあげた栗木の歌に男の胸は、思わずグッとくるのではないか。
第五十八回湘南平塚七夕まつりは、七月四日から七日まで開催される。
グラジオラスあけぼの色に咲く垣根
紫陽花の色あせはじむ化粧坂
朝なれば七夕まつりの「りんご飴」屋台の奥に女化粧す
よく見れば並ぶ屋台のをちこちに朝の化粧すはたらくために
大いなる女は白き腕(かひな)にて大盛やきそばの葱きざみゐる
さわさわと七夕かざり吹かれけり竹差し交はす商店街に
浮世絵の歌舞伎役者が見得をきる商店街の七夕飾り
八月の北京五輪の応援の飾り絵もあり星野、北島
大首絵美人もゐたり平塚の竹差し交はす七夕飾り
たこ焼きに湯蛸ちぎれる兄さんはレゲーの歌を屋台に流す