天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ズーラシアにて

 フクロウ科の鳥。世界には約140種、日本には10種が分布している。このうちミミズクは、頭側に耳と呼ばれる長い羽毛を持つものの総称である。俳句では冬の季語。実は留鳥なので四季を問わないのだが。




      梟や聞耳立つる三千騎     正岡子規
      梟をみにゆき一人帰り来ず   宇多喜代子
      梟の目玉みにゆく星の中    矢島渚男


  耳すませばまことに梟にありにけりさびしき鳥をきける
  ものかな               若山牧水               
  郊外の霧深みかも今鳴くはほろすけほうほう梟のこゑ
                     古泉千樫
  梟よ尾花の谷の月明に鳴きし昔を皆とりかへせ
                     与謝野晶子
  わが息のみだるるまでに起きをれば夜をこめて啼く
  ふくろふの声             佐藤佐太郎
  ごろすけほう心ほほけてごろすけほうしんじついとしい
  ごろすけほう             岡野弘彦
  煌々と星宿移る森の夜に村棄つるなと梟鳴けり
                     前登志夫
  花すぎて寒さよぶのか安積(あさか)郡鎮守の森の
  ふくろふのこゑ            小中英之