天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

探梅行(1)

下曽我から見た富士

 これも新年のわが行事になってしまったが、梅の花を探して下曽我に行ってきた。もちろん、二月に入れば小田原梅まつりが開かれ、流鏑馬などが開催されるので充分に堪能できるのだが、それが待てないのだ。
 空には多少の雲が浮んでいたが、奇麗に晴れており、雪を被った富士山が下曽我から画然として望めた。


      紅梅の梢に見たり雪の富士
      探梅の野面に鳴らす鋏かな


  あかあかと枝伸びたれど花を見ずさむき野面の曾我の梅林
  下曽我は石仏多き郷なればゴミ収集の場所にも立てり
  山の上のひときは高き楠の木の下に雲なす紅梅の花
  宗我神社旧曾我郷の総鎮守どんど焼き待つ村の世話役
  下曽我の蜜柑山から富士見れば雪の肌へに雲の影差す
  とり残す香の菓にむらがりてひよどりが啼く下曾我の山
  剪定の蝋梅の枝もちてゆく人かぐはしき駅の階段