天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ユッカ

江ノ島にて

 厚葉君が代蘭(あつばきみがよらん)という面白い名もある竜舌蘭(りゅうぜつらん)科の植物。アメリカおよび西インド諸島が原産地で、1596年にイギリスに渡り日本へは明治中期に渡来したという。春と秋に二度花をつけるが、秋の花は9月下旬頃から咲き出すものと、11月になってから咲き出すものに分かれる。



  いとまあれば椅子によりつつおのづからユクカの花を
  わがみてゐるも             前田夕暮
                         
  梅雨ぞらに高く開きしユッカ蘭ともしびのごとふり仰ぐなり
                      細川謙三
  茎高く枯れしユッカのよみ花に睦月の朝のひかり澄みたり
                      玉城 徹


  丈高き松の根方に背伸びせり頬を染めたるユッカの花は