絶滅危惧種の植物
春の草花をまとめて見るために、大船フラワーセンターに行ってきた。JR大船駅で下車、柏尾川に沿って川面を見ながら下流方向にセンター近くまで歩いた。今回は、いくつかの絶滅危惧種に着目した。チューリップ、西洋すみれ、ハイビスカス、睡蓮などが花盛り。帰路は遊行寺に寄った。境内裏庭の宇賀神は、桜の花が散り敷き、この世とも思えない光景であった。
花筏鯉の背鰭に分かたるる
川下に向かひて羽根をひろげたり鵜がとまりたる川中の石
花弁の流るる川に鯔群れて腹を返せり銀にかがよふ
たまゆらを横向きにけり翡翠は朝日背にあび川下へ飛ぶ
春風の植物園の道の辺のチョウジガマズミ絶滅危惧種
山吹とは別種と云へり日をはじくシロヤマブキも絶滅危惧種
青空にうす桃色をひろげたるミツバツツジは絶滅危惧種
帰らむとバスの座席に坐るとき帽子に残るひとつ花弁
宇賀神の庭にちり敷くうすべにの桜の花に過ぎし夢見ゆ
ただひとつ若葉の間に咲きのこる辛夷の花は風に耐へたり