天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

絶滅危惧種の植物

大船フラワーセンターにて

 春の草花をまとめて見るために、大船フラワーセンターに行ってきた。JR大船駅で下車、柏尾川に沿って川面を見ながら下流方向にセンター近くまで歩いた。今回は、いくつかの絶滅危惧種に着目した。チューリップ、西洋すみれ、ハイビスカス、睡蓮などが花盛り。帰路は遊行寺に寄った。境内裏庭の宇賀神は、桜の花が散り敷き、この世とも思えない光景であった。


      花筏鯉の背鰭に分かたるる


  川下に向かひて羽根をひろげたり鵜がとまりたる川中の石
  花弁の流るる川に鯔群れて腹を返せり銀にかがよふ
  たまゆらを横向きにけり翡翠は朝日背にあび川下へ飛ぶ
  春風の植物園の道の辺のチョウジガマズミ絶滅危惧種
  山吹とは別種と云へり日をはじくシロヤマブキも絶滅危惧種
  青空にうす桃色をひろげたるミツバツツジ絶滅危惧種
  帰らむとバスの座席に坐るとき帽子に残るひとつ花弁
  宇賀神の庭にちり敷くうすべにの桜の花に過ぎし夢見ゆ
  ただひとつ若葉の間に咲きのこる辛夷の花は風に耐へたり