天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ドクダミ

大磯湘南平にて

 ドクダミ科の多年草。十薬、十字科の花。生の葉っぱは傷口の化膿をふせぐに効能あり。草を煎じて呑めば利尿剤になる。


  どくだみの花のにほひを思ふとき青みて
  迫る君がまなざし       北原白秋
                      
  どくだみはここに花さき人間のかかわる
  ところ月のよく差す      坪野哲久
                      
  てのひらの傷いたみつつ裏切りの季節にひらく
  十字科の花          塚本邦雄
                      
  怒気多くなりゆく日々の蒼ざめる心臓に似て
  茂るどくだみ         西村 尚