天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蝉の歌 ―アブラゼミ―

近所の林にて

 半翅目セミ科の昆虫。端翅まで55mm〜60mm。7月8月頃に地上に出てきて、油を煎るような音で鳴く。幼虫は6年間を地中で過ごし、7年目に地上に出る。わが国全土と朝鮮でも普通に見られる。



  油蝉いま鳴きにけり大かぜのなごりの著るき
  百日紅の花           斉藤茂吉
                        
  夏日てる屋上の床に油蝉ひとつおちしがあふむきに
  鳴けり             結城哀草果
                        
  油蝉ビルのガラスにふと止まる力こもれる肢の繊毛
                  山形裕子


      瘤なれやさくらの幹の油蝉