天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

キバナコスモス

二宮町吾妻山にて

 コスモスはもともとメキシコ原産のキク科の一年草。キバナコスモスも別種ながらメキシコ原産の一年草である。神奈川県二宮町吾妻山の山頂の畑では、通常のコスモスはみな引き抜かれて枯れていた。ところどころにキバナコスモスの群が黄金色の眩しい花をつけていた。


      吾妻山花粉まみれの秋の蝶


  「曽我兄弟駒止石」と伝へたり蝉しぐれふる知足寺の庭
  ばらばらに鼓笛鳴らせる保育園オルガンひけばやがて揃ひぬ
  山頂へSの字道をわがくればしあはせ色のキバナコスモス
  手をつなぎスローテンポの曲に揺る長寿の里の主婦たちの朝
  白骨の樹林想へり家々の屋根に立ちたるテレビアンテ
  二歩あゆみ杖つき三歩すすみては息継ぐ老婆デパートに入る
  赤や黄の花ならべたる店先にかぼちやが笑ふハロウィングッズ
  ねころべば窓の光にあかるめる左の足の親指の爪