天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小手鞠

鎌倉安養院にて

 こでまりは、中国原産、バラ科の落葉低木。白色五弁の小花が寄り集まって咲き、鞠の形状をなす。


  夕庭にこでまりの花咲きそめてそよゆれつつも暗みゆくなり
                       岡 麓
  こでまりの白き花びら散る庭の昏れなずみつつ遠き街の音
                       相良義重


  美容院を出で来し人が足とどむ路肩に白き小手鞠の花
  鎌倉の古寺をめぐれば朝露にぬれて光れるこでまりの花
  日蓮の松葉ケ谷は妙法の庭にしだるるこでまりの花