天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

岩たばこ

鎌倉亀ケ谷にて

 イワタバコ科イワタバコ属の多年草で谷間の湿った崖や水の滴る岩壁に着生する。タバコに似た葉をもつところからの命名。若葉は食用になる。本州、四国、九州、南西諸島に分布し、台湾にも見られる。万葉集に出てくる次の歌の「山ぢさ」は、「いわたばこ」のことではないか、という説がある。


  山ぢさの白露しげみうらぶるる心も深くわが恋止まず
  気の緒に思へるわれを山ぢさの花にか君が移ろひぬらむ