天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

キャベツ

横浜市東俣野町にて

 欧州原産アブラナ科の一、二年生野菜で、わが国では明治末期頃から普及したという。
他に甘藍、玉菜などの呼び名がある。


    ルルド道甘藍畑のかがやけり      下村かよ子
    菅平しか知らぬ母キャベツ取る     三輪浅茅
    嬬恋に玉菜すすぎの雨いたる      田中忠男


  あるときは大地の匂ふぷんぷんとにほふキヤベツの玉もぎて居り
                       北原白秋
  今やわれ妻と言ふ名に落着くと青き夕べのキャベツをほどく
                       馬場あき子
  さみどりの葉をはがしゆくはつなつのキャベツのしんのしんまで
  ひとり                   俵 万智


  我という存在確かめているように青くて大きいキャベツを刻む
                        上田 茜