天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

アカノママ

二宮町吾妻山にて

 犬蓼のことでタデ科一年草。赤い小さな果実を赤飯に見立て、赤(アカ)の飯(ママ)、アカマンマとも呼ばれる。イヌタデは北海道から琉球にまで普通に見られる一年草。千島・樺太・朝鮮・中国・ヒマラヤなどにも広く分布する。


  赤飯(あかまま)の花と子等いふ犬蓼(いぬたで)の花はこちたし
  家のめぐりに              若山牧水
                      
  赤まんま赤穂垂れたり庭ながら野の風情にてものおもはしむ
                      宮 柊二
  アパートのわが子ら花を摘み遊ぶ裏の空地(あきち)の犬蓼の花
                      武川忠一
  良妻であること何で悪かろか日向の赤まま扱(しご)きて歩む
                      河野裕子