天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鯉のぼり

藤沢市新林公園にて

 出世魚の鯉の滝登りにちなんで、端午の節句にたてる。五月鯉とも。


  人の家の鯉のぼりを見せむとて嬰児(みどりご)抱き外に
  出でたり                 岡 麓


  子をもちて鯉ののぼりをたてにけりふるきならひに幸を
  祝(ほ)がむため            平福 百穂
                     
  両岸の街には今朝は鯉幟みなかみ遠くあまた見えつも
                     新井 洸
  鯉のぼり黒紗(こくしや)の幅をひるがへす中空にして陽は
  かがやけり              岡本かの子
                     
  平成の五月の空に吹き流す緋鯉真鯉に臓(はらわた)の無し
                     石田比呂志
  子らあれば高だか泳ぐ鯉幟雪原の空に光やさしく
                     清原日出夫