天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春田

横浜市舞岡公園にて

 苗を植える前の田。鋤き返された田や水を入れた田もある。あるいはげんげを咲かせた田もある。


     みちのくの伊達の郡の春田かな   富安風生
     野の虹と春田の虹と空に合ふ    水原秋桜子
     長湯してまなこの曇る春田かな   秋元不死男
     北潟の遠くけむれる春田かな    深見けん二


  荒小田をかへす若人ちからある強きかひなに春の日は照る
                      佐佐木信綱
  垣越しによきしめりよと云ふ声のうれしくぞきこゆ田を
  鋤けるらし                北原白秋