天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

都忘れ

北鎌倉・東慶寺にて

 キク科の宿根草で植物名はノシュンギク。深山嫁菜(みやまよめな)を観賞用に栽培したものという。四月から六月にかけて花が咲く。


  名を問へば吾妻菊ちふむらさきと白と咲きたる鉢の植込
                      伊藤左千夫
  山に来て都忘れの花を見ぬ遠き痛みにかよふ花の名
                      田谷 鋭
  神々の不備と思ふまで病みつぎてみやこわすれの花も知りにき
                      滝沢 亘
  蜆蝶都忘れの花移るさやると見ればすぐに離れて
                      麻生松江