天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鵠沼(くげぬま)海岸

鵠沼海岸にて

 小田急線の鵠沼海岸駅で下車、海岸に沿って江ノ島まで歩いた。この海岸はビーチスポーツの発祥の地である。ビーチバレーのコートがいくつもあって、平日でも数人が球を打っている。
 ここは、古くは「砥上ヶ原」と呼ばれる砂地の荒野であった。鎌倉時代初期、鴨長明は、
  浦近き砥上ヶ原に駒止めて固瀬の川の潮干をぞ待
と詠んでいる。江戸時代、享保の改革の一環として湘南海岸一帯に相州炮術調練場と呼ばれる砲術訓練場が設置されていた。関東大震災以降は、観光地として開発が進んだ。


     潮騒やビーチバレーの夏来る
     浜昼顔砂防垣根の下に群れ
     テント張り片瀬の浜に地曳網
     ゴンズイしらすに混じる地曳網


  鵠沼は湿り気多き潮風に浜昼顔のそよぐ群落
  そこここにビーチバレーの球あがり鴉がとまるネットの支柱
  昼ちかく片瀬漁港に帰り着き釣果見せあふ釣舟の宿