天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

シラン

鎌倉長谷にて

 紫蘭と書く。ラン科シラン属の宿根草。日本、中国、台湾などが原産の野生ランで、準絶滅危惧種に指定されている。乾燥にも過湿にもよく耐え、日向の畑土で栽培できるので、野生ランと区別できにくくなっている。


     紫蘭咲いていささかは岩もあはれなり  北原白秋
     局塚その面影の紫蘭咲き       下村ひろし


  紫蘭咲いていささか紅(あか)き石の隈(くま)目に見えて涼し
  夏さりにけり                北原白秋


 白秋の俳句と短歌の関係は大変興味深い。