天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

枇杷

神奈川県開成町にて

 バラ科の常緑高木。十一月頃に白い花が咲き、翌年六月頃黄色の果実をつける。房州に多く生産されるらしい。


  大き枇杷もぎておとせば吾(わ)弟(おと)らが麦藁帽に
  うけてけるかな             北原白秋


  しめやかに雨過ぎしかば市の灯はみながら涼し枇杷
  うづたかし               長塚 節


  枇杷食めるこの夕あかり夜みえて苦しみの種子かわれ
  の眼は                 前登志夫


  枇杷熟れる宵々なりき降り次ぎてほのくらがりは母を
  つつめる                松坂 弘