天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨明けて

旧東海道・化粧坂にて

 桜の季節以来になったが、大磯、湘南平を歩いてきた。雨もよいの日々は、山野への外出は控えるので、足腰が弱まる。従って久しぶりに山坂を登ると大汗をかき、この時期だけに熱中症気味になる。自動販売機で買ったビタミンやローヤルゼリーの入った清涼飲料を飲むと、この疲れが嘘のように消える。


     大磯や涼しき松の残りたる
     菅草の丹色目にしむ化粧坂
     紫陽花の白のままなる地獄沢
     松蝉のこゑの山路を下りけり
     しばらくは山路を共に黒揚羽
     深緑の山路に落すサングラス
     句を案じ鴫立庵に端居せり
     つくばひも水を欲しがる暑さかな
     
  水飲めば飲むほど出づる汗なれど熱中症を気遣ひて飲む
  深緑のしげみ騒がすものありてしばらく待てば烏あらはる
  土ぼこり、騒音、汚水になやまさる人住みがたき仮設住宅


右上の画像は、大磯八景のひとつ「化粧坂の夜雨」の歌碑で次のように書かれている。
  雨の夜は静けかりけり化粧坂松の雫の音はかりして


なお大磯八景の歌は、選ばれた八か所の景勝地について、昭和十二年に大磯小学校第二代校長・朝倉敬之が詠んだもの。